「ONE PIECE」の映画はバトルアニメだから成績が悪いと思うんだ
2011-12-15
あくまでも私個人の見方ですが、映画「ONE PIECE」に関するコラムです。
映画のワンピは成績が芳しくない。
ちょっと表にしてみました。
最初期の5作目くらいまではかなり良い成績でしたが、それ以降パッとしませんよね。
特にここ数年はあからさまに落ちています。
今年の3Dは短編だったので除外するとしても、「SW」前は10億にも到達していないのは
いくらリメイクが続いたからとはいえ原作の人気からすれば異様です。
色々と理由があると思うのですよ。
「そもそもアニメには興味が無い」とか「テンプレ展開だから」とか。
あとは「スケール感が無いから」というのもあると思いますね。
漫画では時間の制約を受けない為、いくらでもスケール感を出せるのですが、
時間制限のある映画では自ずと限界が定まる。だから、漫画以下のスケールに終始してしまう。
仕様がない事ですが、スケール感のでかさもこの作品の面白味の一つなので、
これも大きなマイナス要素なのでしょう。
でも、私はこれらの要素の他に大きな理由があると思うのです。
それが記事のタイトルにも書いたように、バトルメインのシナリオだからじゃないかというものです。
私が思うワンピってバトル漫画では無いんですよね。
もちろん比重としてのバトルが大きいのは承知しているのですが、それ以上に
冒険ファンタジーという要素が大きいと感じるのです。
コミックスの裏にも書いてありますよね。「海洋冒険ロマン」って。
この作品の面白い所はまさにそこだと思うのです。
新しい島に到着した時のワクワク感。まるで新しい遊園地にでも迷い込んだかのような昂揚感。
何が起こるのか。どんな生物がいるのか。ユーモラスな特徴があるんだろうか。
まるでおもちゃ箱をひっくり返したような落ち着かない状態。
読むだけでそういう楽しい感情を覚えるのがこの作品なのですよ。私にとっては。
設定が凄いんですよね。世界観の。
特にグランドライン突入後は。
信じられないくらい荒れ果てた海に阻まれているから、
各島は独自の文化を生み、進化を促し、発展を遂げてきた。
だから、超未来都市のような島もあれば、古代の猛獣が跋扈するような島もある。
この設定が素晴らしいのです。
これだけでなんでもアリになたのですから。
どんな突飛な事もグランドラインの島だからの一言で片づけられる。
恐竜が住む島もあれば、空に浮く島もある。
海底深くに人魚が住まう島もあるし、特定の季節しか訪れない島もある。
想像力の続く限り、どんな島も可能なんですよね。
これを最大限に活かして冒険ファンタジーとしてなりたっているのがワンピだと
個人的には思う訳であります。
この点がこの作品最大の特徴でもあると考えてもいます。
熱いバトルも泣けるドラマも、この冒険に添えるツマであって、主役では無いと思うのです。
で、こういった目線で映画を見ると、どうもイマイチなんですよね。
どれもこれもバトルがメインに思えちゃう。
島を支配する海賊たちとの戦いを描く事に主眼が置かれている気がしちゃう。
これだとオリジナリティもアイデンティティも薄いんです。
他のバトル作品と(特に東映アニメフェア作品のテンプレに則った作品群と)の
違いが見いだせない。ワンピである必要性があまり感じない。
新しい島へのワクワク感というものが薄い。
そんな中、唯一違うなぁと思ったのが「SW」ですね。
敵の能力で浮いている島での冒険と戦いを描いたこの作品。
これもバトルアニメと言われそうですが、それでも「冒険している感」はあったんですよね。
能力で浮遊している島という新しさ。
そこで蠱毒のように戦いを繰り広げる作られた動物たちとのサバイバル。
手に羽を持つちょっと不思議な人々との交流。
島が浮力を失って落ちる際の絵的な迫力など、映画として十分なスケールも出ていて、
非常にワンピースらしさを感じました。
0巻や尾田先生完全監修など、ヒットした要因はそれらが主だったとは思いますが、
こういった今までの映画に無いワンピらしさが支持されたのも少なからずあったような気がします。
先日通算12作目の映画化が発表されました。
「SW」と同様に力を入れた作品だという噂です。(尾田先生はノータッチに近いとも言われてますが)
是非、ワンピらしいワクワク出来る冒険ファンタジー作品になっている事を
期待したいですね。
ちょっと表にしてみました。
タイトル | 興行収入 | 概要 |
ONE PIECE | 21.6億 | 東映アニメフェア参加作品 |
ねじまき島の冒険 | 30億 | 東映アニメフェア参加作品 |
珍獣島のチョッパー王国 | 20億 | 東映アニメフェア参加作品 |
デッドエンドの冒険 | 20億 | |
呪われた聖剣 | 18億 | |
オマツリ男爵と秘密の島 | 12億 | |
カラクリ城のメカ巨兵 | 9億 | |
エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち | 9億 | TVシリーズリメイク |
エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜 | 9.2億 | TVシリーズリメイク |
STRONG WORLD | 48億 | シリーズ最高収益 |
3D 麦わらチェイス | 7.9億 | 併映:「トリコ」 |
最初期の5作目くらいまではかなり良い成績でしたが、それ以降パッとしませんよね。
特にここ数年はあからさまに落ちています。
今年の3Dは短編だったので除外するとしても、「SW」前は10億にも到達していないのは
いくらリメイクが続いたからとはいえ原作の人気からすれば異様です。
色々と理由があると思うのですよ。
「そもそもアニメには興味が無い」とか「テンプレ展開だから」とか。
あとは「スケール感が無いから」というのもあると思いますね。
漫画では時間の制約を受けない為、いくらでもスケール感を出せるのですが、
時間制限のある映画では自ずと限界が定まる。だから、漫画以下のスケールに終始してしまう。
仕様がない事ですが、スケール感のでかさもこの作品の面白味の一つなので、
これも大きなマイナス要素なのでしょう。
でも、私はこれらの要素の他に大きな理由があると思うのです。
それが記事のタイトルにも書いたように、バトルメインのシナリオだからじゃないかというものです。
私が思うワンピってバトル漫画では無いんですよね。
もちろん比重としてのバトルが大きいのは承知しているのですが、それ以上に
冒険ファンタジーという要素が大きいと感じるのです。
コミックスの裏にも書いてありますよね。「海洋冒険ロマン」って。
この作品の面白い所はまさにそこだと思うのです。
新しい島に到着した時のワクワク感。まるで新しい遊園地にでも迷い込んだかのような昂揚感。
何が起こるのか。どんな生物がいるのか。ユーモラスな特徴があるんだろうか。
まるでおもちゃ箱をひっくり返したような落ち着かない状態。
読むだけでそういう楽しい感情を覚えるのがこの作品なのですよ。私にとっては。
設定が凄いんですよね。世界観の。
特にグランドライン突入後は。
信じられないくらい荒れ果てた海に阻まれているから、
各島は独自の文化を生み、進化を促し、発展を遂げてきた。
だから、超未来都市のような島もあれば、古代の猛獣が跋扈するような島もある。
この設定が素晴らしいのです。
これだけでなんでもアリになたのですから。
どんな突飛な事もグランドラインの島だからの一言で片づけられる。
恐竜が住む島もあれば、空に浮く島もある。
海底深くに人魚が住まう島もあるし、特定の季節しか訪れない島もある。
想像力の続く限り、どんな島も可能なんですよね。
これを最大限に活かして冒険ファンタジーとしてなりたっているのがワンピだと
個人的には思う訳であります。
この点がこの作品最大の特徴でもあると考えてもいます。
熱いバトルも泣けるドラマも、この冒険に添えるツマであって、主役では無いと思うのです。
で、こういった目線で映画を見ると、どうもイマイチなんですよね。
どれもこれもバトルがメインに思えちゃう。
島を支配する海賊たちとの戦いを描く事に主眼が置かれている気がしちゃう。
これだとオリジナリティもアイデンティティも薄いんです。
他のバトル作品と(特に東映アニメフェア作品のテンプレに則った作品群と)の
違いが見いだせない。ワンピである必要性があまり感じない。
新しい島へのワクワク感というものが薄い。
そんな中、唯一違うなぁと思ったのが「SW」ですね。
敵の能力で浮いている島での冒険と戦いを描いたこの作品。
これもバトルアニメと言われそうですが、それでも「冒険している感」はあったんですよね。
能力で浮遊している島という新しさ。
そこで蠱毒のように戦いを繰り広げる作られた動物たちとのサバイバル。
手に羽を持つちょっと不思議な人々との交流。
島が浮力を失って落ちる際の絵的な迫力など、映画として十分なスケールも出ていて、
非常にワンピースらしさを感じました。
0巻や尾田先生完全監修など、ヒットした要因はそれらが主だったとは思いますが、
こういった今までの映画に無いワンピらしさが支持されたのも少なからずあったような気がします。
先日通算12作目の映画化が発表されました。
「SW」と同様に力を入れた作品だという噂です。(尾田先生はノータッチに近いとも言われてますが)
是非、ワンピらしいワクワク出来る冒険ファンタジー作品になっている事を
期待したいですね。
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