夏目友人帳　参　第2話　｢浮春の郷｣　感想: アニメ感想【晶】: あくあぐらす～Aqua Glass～

夏目友人帳　参　第2話　｢浮春の郷｣　感想 2011-07-12

未練。
夏目友人帳　参　第2話感想です。
→｢夏目友人帳　参｣公式サイト

相変わらず夏目友人帳はしっとりとしたいい雰囲気を出しているアニメですよね。
アヤカシと接していく中で、少しづつ何かに気付いたり、成長していく夏目であったり、
その友人たちとの関係の深まり。1話完結が多いですけど、しっかりと続いている感じもありますよね。

今回は浮春の郷を探す妖怪が主軸となりましたが、
当初は悪い妖怪なんじゃないか、と思われていたのが、
実は心根の優しい妖怪だったという展開へ。
彼の妹、と語っていた妖怪の悪事もあったり、田沼の様子がおかしかったり。
瘴気を振りまいているせいで、他の妖怪が倒れているというのもあって、
今回のヤツは悪い妖怪なんだなとこちらも思ってしまいましたよね。

例えば、不気味な影であったり、深夜を徘徊する怪しい姿。
それだけでも妖怪は恐ろしい。すぐに悪いヤツじゃないかと思ってしまうのは、
人は基本的に闇を恐れる生き物であり、そして元々持っている妖怪のイメージ。
それが怖いものであるということからくる先入観だと思います。
人を見かけで判断してはいけない、とはよく言いますが、
このアニメを見ていると、その言葉が本当に耳に痛い言葉のように思えてなりません。

今回も夏目の人との接し方が少し出ましたね。
ま、彼が相手の家族のことにはどこまで踏み込んでいいのかと悩むのは、
決しておかしい事ではないし、確かに必要以上に踏み込まれるのは誰だって嫌なもの。
それでも彼には経験がない。恐らく聞かれたこともない。
仮に聞かれたとしても、夏目の今までの家族は本当に仮初めのものでしたからね。
何も言えることがないと思います。また聞かれたくもなかったでしょう。
だから余計にわからない。家族のことは聞いてよいものなのか？
彼らしい悩みだったと思います。

田沼も寺に不審な妖怪の陰が出ることを、夏目に言うべきか迷っていましたね。
夢で夏目の名前が出たこともありますし、彼にはおぼろげにしか妖怪の姿が見えない。
先述したように妖怪のイメージは大方怖い、というのが先に来ると思います。
田沼も夏目と関わっていく内に、全ての妖怪がそれには当てはまらないのはわかっているでしょうが、
それでもやっぱりはっきりと姿が見えないのは怖いし、何より頭痛の原因は
寺をうろついてる妖怪だ、と思ったでしょうからね。その証拠に友人宅に避難してますよね。
夏目を危険に巻き込むわけには、と彼もまた悩み、そして言い出せずでしたね。
お互いのことを考え、そして二人とも言い出せなかった。
二人の気遣いが見えてきました。いい関係ですよね。

浮春の郷に来るか？との質問に、レイコさんはなんと答えたのでしょうね。
結局は行かない選択をしたのでしょうが、なんて言ったのか気になります。
それでもあの迷いの表情は、人の世界に未練がある証だと思うんですよね。
人に嫌われ、妖怪の名前をいただく日々。それでも彼女はどこかで
まだ人と関わっていたいと感じているのではないでしょうか。
全ての人がひどいものではないはず。妖怪と触れ合って生きるのも決して悪くはないと
レイコさんは考えていたと思うんですけど、それでも人のことを見限ることはできなかった。
それはやっぱり、彼女が人だからだと思います。それでも現状、彼女には友人と呼べる人がいなかった。
それが迷いとなって顔に出たのでしょうね。

でも夏目には、いろんな友人がいる。家族がいる。
人の世界を大事なものだとはっきりと言える。自分はここで生きていくんだと
この世界を失いたくはないと思う。だから断れる。
最後にまた拳と拳を合わせるシーンは、なんだか人とのふれあいを
さりげなく見せてくれたようで印象的です。
なんというか、このアニメはそういう関わりをくどくどと見せないんですよね。
本当にさらりと見せてくれる。だから感じがいいんだなーと思います。

今回の話もいろいろと感じさせてくれました。
やっぱ安定してますよね。1話完結というのがいいんだろうなぁ。
次回は偽りの友人、という事で、夏目の過去を知っているキャラクターの登場でしょうか。
また夏目の心に波紋を広げそうな話ですね。妖怪のことをひた隠しにしている彼ですが、
このキャラの登場でいったいどうなるのか、ちょっと怖いところですね。

ではでは。